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木造住宅でもっとも気になる虫といえばシロアリが有名ですが、シロアリだけではなく、他にも木材を好物としている虫がいます。シロアリ対策も大事ですが、それ以外にも木を好物にしている虫がいると知っておくこともまた、木の家を長持ちさせるために大切です。
キクイムシの体調は2mmから8mm。4月から9月の期間が主な活動時期ですが、活発になるのは5月から6月にかけてとされています。寿命は1ヶ月から1ヶ月半と決して長くはないものの、メスのキクイムシは成虫している間におよそ100個の卵を産むなど繁殖力が高いのが特徴です。外部から侵入してくる虫というよりも、幼虫や卵の時点で木に生息していることが多いかもしれません。成長とともに被害を与えるケースが多いので、木材をチェックして小さな穴が空いていないのか確認しておきましょう。
元から木にいることが多いキクイムシは、木の中に生息して木を食べながら成長して外に出てきます。食べたあとは木に細かく穴が開いてしまいます。一つの穴は決して大きくはないのですが、いくつもの穴をあけることで木全体がスカスカになってしまい、強度にも影響が出てしまう点に気をつけてください。
「死番虫」と書かれるシバンムシ。エジプトのミイラと一緒に出てきたことからこのような名前がついたと言われていますが、木材だけではなく、食品被害も及ぼします。見た目はすぐに「虫」だと思わないとても小さなものですが、かじる力がとても強いので木材にも穴を開けてしまいます。
シバンムシは木材の割れ目に一匹いれば、徐々に増えてしまうほど繁殖力が高い虫です。古い木材が大好物なので、築年数の古い木造建築物や木造文化財等にとって厄介な存在として知られています。一つひとつの穴は決して大きくはありませんが、無数に穴ができると強度が弱まり、腐食を進行させてしまいます。
虫の対策で手軽に効果が期待できるのが殺虫剤です。虫剤を噴射することで駆除できるので、苦労せずに対策出来ます。殺虫剤はドラッグストアやスーパー等でも気軽に入手することができますので、誰もが手軽に行える駆除方法です。ただし、近くから噴射すると殺虫成分よりも風圧で飛ばすだけになってしまい、死滅していないケースがでてきます。ある程度距離を置いて、遠くから噴射しましょう。
熱によって虫を死滅させる駆除方法もあります。一度に多くの虫を死滅させることができる方法ですが、「住居に住み着いた虫の駆除」となると、少々現実的ではありません。また、木材全てへの熱処理だと、場合によっては痛みが気になることもあるでしょう。方法には注意が必要です。
光を苦手としており、木を主食とすることからその姿を見かけることはなかなかありませんが、世界の様々な場所に生息していることが確認されています。
かつては確認されなかった地域にも生息が確認されるようになるなど、猛威を振るっているシロアリ。
特に近年は温暖化の影響からか、かつてはシロアリがいないとされていた北海道の木造住宅への被害報告も多々確認されています。
私たちが知らない間に木を食べることで、家屋に大きな損傷を与える点がシロアリの厄介な部分です。目に見えない、光の当たらない部分から木材を食べ始めることから、最初はシロアリの存在に中々気づけません。
大量に生息するうえ、家の事情など知らないので大切な柱等も躊躇なく食べます。
結果、木造建築物に大きなダメージを与えられることに。被害に気付いた頃には、もはや木材がボロボロ…といった状態になる可能性があります。
木の家の天敵として真っ先に思い浮かぶシロアリ。普段目にすることはないかもしれませんが、シロアリが家に発生しているかもしれないシグナルはいくつかあります。一体何でシロアリが侵入していると判断するのか?ポイントをいくつかまとめました。
4月から7月頃に家の中を羽アリが飛んでいたのを見かけた場合、要注意です。この時期は新しい女王アリが新しい巣を作るために、羽アリとなって飛び立っていきます。つまり、家の中を羽アリが飛んでいたなら、それは巣から飛び立っていく姿で既に家の中にシロアリの巣があるのかもしれません。
体よりも大きな羽が4枚ついているのが白アリの特徴です。特徴と一致する羽アリを家の中で大量に見かけるようであれば、巣があると考えて良いでしょう。
シロアリは通常のアリのように、地中に穴を掘って移動する習性があります。そのため、近所でシロアリの駆除を行っている場合、地中を移動して周囲の家に来る可能性もあるのが懸念点です。ただ、シロアリが移動する可能性は低いため、近所の駆除によって周囲に被害が及ぶことはほとんどないでしょう。
シロアリは木材を食べる習性がありますが、いきなり硬い部分から食べ始めるのではなく、まずは柔らかい部分から食べ始めます。そのため、表面上変化が見られません。ただし、中が空洞になることで床の上を歩いた際、前と比べて床の踏み心地がおかしいと感じやすくなります。自分の体の沈み具合に違和感を覚えた場合や、ふすまや扉の開閉に違和感を覚えるなどした場合、シロアリに食べられているかもしれません。
シロアリは木を食べる際、綺麗に食べるのではなく周辺にくずを落とします。覚えのない木くずを見かけたり、あるいはフンらしきものを見かけたりした場合は要注意です。乾いた茶色の粒を見かけるようになったら、家屋内にシロアリが生息していると考えられます。天井や簗にいる場合もあり、木くずが落ちてくるのがシロアリ発生のサインです。身に覚えがない木くずが天井から落ちてくるような時は、一度業者に調べてもらうと良いでしょう。
シロアリは光や風を嫌います。だからこそ地中を移動しますが、その際に排出物や土砂にて「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるトンネルを作ります。それに伴い、妙な盛り上がりでもある蟻土(ぎど)も発生。木材や基礎コンクリートに小さな茶色のトンネルらしきものがあれば、それはシロアリの蟻道かもしれません。
柔らかい木は食べやすいため、松やモミの木などの木材は狙われやすいと考えられます。他にもホワイトウッド(下地材や木工材などに使われる)やセン(建築以外にも株や合板に使われる)など、柔らかい木材には対策が必要です。
また、雨に濡れることで柔らかくなるうえ、湿気のある木をシロアリは好みます。湿気が多くなりがちな床下の柱や屋根裏などは、木材を選ぶ際に工夫しなければいけません。例えば防蟻処理を施すことで、被害を抑えられます。雨漏りなどのメンテナンスを行うのも大切です。
堅い木材であれば食べにくいので、ケヤキやスギ、カヤなどがシロアリに狙われにくいとされます。加えてヒバスギにはシロアリが嫌う成分「ヒノキチオール」が含まれているため、シロアリ被害を抑えられるでしょう。
しかし、シロアリが絶対に食べないとは言い切れません。堅い木材やシロアリが嫌う成分が含まれていようと、シロアリに食べられる可能性はあります。木材は、芯材(木の中心部である色の濃い部分)のほうが防蟻性を持つのが特徴です。逆に、木の中心から遠い部分を使った木材であると、防蟻性は芯材と比べて低いといえます。ヒバやケヤキなどを使ったとしても、芯材の有無や年輪の詰まり具合などで被害に遭う可能性は変動するでしょう。
シロアリが嫌う木材だけでなく、他の防蟻対策も取っておくことがおすすめです。
シロアリは湿気が多い場所を好みます。湿気のある木も好むので、湿気対策は必須です。特に軒下は湿気がこもりやすい部分なので、通気性を確保するかできる限り湿気がこもらない環境を作るようにしましょう。例えば防湿シートを敷いたり、床下換気扇を設置したりなどで対策できます。
業者に依頼する場合は施工費用がかかるので、予算に合わせて設置するかどうかを決めましょう。
穴やヒビからもシロアリは侵入するため、見つけたらできるだけ早めに補修するのがおすすめです。侵入されて被害が大きくなると、ヒビ割れが大きくなったり柱がボロボロになったりと、補強工事を行わなければいけなくなります。そうなると住宅の耐久性も低下してしまい、地震が起きた際に住宅が倒壊するかもしれません。阪神淡路大震災で倒壊した住宅にはシロアリ被害で強度が低下したものもあったそうです。
シロアリ駆除グッズは多々ありますが、シロアリは家の奥底に生息していますので、完全に駆除をと思ったら業者の力を借りた方が良いでしょう。
シロアリ駆除業者は複数あります。その中から信頼できる業者を選んで依頼することで、大切なマイホームをシロアリの被害を防げるでしょう。
特にチェックすべき点としては、実績と見積もりです。どのような手法で、どれだけの費用でシロアリ駆除を行ってくれるのかを事前に明確に知らせてくれるのかはチェックしておく必要があります。
また、後になって「言った、言っていない」というトラブルが起きないよう、事前に具体的な契約書を作成してくれる業者を選ぶと良いでしょう。
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【選定条件】
※2023年6月15日時点、「木の家 茨城」とGoogle検索した際に表示された63社をすべて調査。そのうち、以下の条件を満たす2社を選定。
・耐震等級3相当に対応している
・長期優良住宅に対応している
・構造材、床材、壁材すべて自然素材(※)を使用できる
・施工エリアを公式サイトに記載している
※当サイトでの「自然素材」は無垢材や漆喰を指します。
※1参照元:https://suumo.jp/chumon/tn_ibaraki/rn_hinokinoathome/
※2参照元:https://suumo.jp/chumon/koumuten/rn_groundhome/