地震が多く発生することで知られる、茨城県。木の家で本当に大丈夫?
「木造建築は地震に弱そう」というイメージを持つ人がいるかもしれません。
地震などの大きな災害が起きたとき、テレビで倒壊している家が映されることが原因の一つかもしれません。これには理由があり、日本の住宅は骨組みを木材で組む在来工法やツーバイフォー工法によって建築しているためです。現在でも55.2%が木造[注1]の骨組みで家造りが行われており、日本では木造建築が圧倒的に多いために倒壊している建物も木造が多い、というからくりによるものです。
また、これまでの大地震で倒壊した木造住宅の多くは、新耐震基準が施行された1981年以前に建てられた古い家屋です。圧力に強い木造住宅は、むしろ高い耐震性を誇っています。
ただし湿気対策を充分に施さないと、シロアリに浸食され、地震に脆くなる可能性はありますので、注意しましょう。
木材は柔軟性が高いため、地震による圧力がかかっても、簡単には崩れません。また軽い素材なので、揺れを小さく抑えることも可能です。鉄筋コンクリートなど、他の建築と比べても、耐震性は充分に高いと言えるでしょう。
さらに木材は地震の後に訪れる火災にも強くなっています。高熱でグニャリと曲がってしまう鉄に比べ、分厚い木材は芯まで燃え尽きるまでに長い時間を要するのです。
茨城県は、自然災害の中でも特に台風の影響を受けやすい地域。記憶に新しいところでは、2015年の台風18号により、3,000軒以上の家屋が半壊しました。
木造住宅はこの台風に弱そうというイメージがありますが、それも誤りです。近年の木造住宅は強度が増しているため、強風で屋根が吹き飛ぶなどの心配はありません。
しかしどんなに強度が高くても、基礎がしっかりしていないと、下から巻き上げる強風により大きなダメージを受けることとなります。
家づくりの際は台風対策も視野に入れ、「土台作りをきちんと行う会社か」、「吹き飛ばされてきたものを跳ね返せる強い外壁か」などの点を、厳しくチェックしましょう。
地震などの災害に強い家づくりの目安となるのが「耐震等級」です。
住宅が持つ性能を等級などで表示する「住宅性能表示制度」のひとつで、等級は1~3まであり、数字が大きいほど地震に対する耐久性が高いとされています。
耐震等級表示は、義務ではないものの、安心のバロメーターであることは確か。地震に強い家づくりを希望するなら、その会社の作る家の耐震等級がどれくらいなのかもチェックポイントにしてみましょう。