家が腐る原因になる結露ですが、木の家は結露しにくいと言われています。なぜ、結露が起こりにくいのか。その理由は複数あります。
結露ができる原因として、家屋内の湿度の高さが挙げられます。湿度とは、いわば「空気中にどれだけ水分を含んでいるのか」を表した指数です。湿度がいずれは水分、つまりは結露となってしまいます。コンクリートの場合、湿度を吸うことができないのでどうしても結露ができやすいのがデメリットです。一方で、木は結露を抑えてくれる働きを持っています。資材として切られた後も呼吸をするので、水蒸気を吸ったり吸い込んだ湿度を放出したりするためです。つまり、木の家は自然と湿度の調整ができるといえます。
結露ができる理由の一つに、温度差が挙げられます。外は寒い、でも家の中は暖かい。これは結露が発生しやすい条件です。木の家の場合、熱が伝わりにくいので、家の外と中の境界線がおぼろげになります。温度差が伝わりにくいことで結露を抑えるのも、木の家の魅力です。
無垢材を選ぶことで、結露対策になります。無垢材の場合、そのまま使用するケースが多いので、木の持つ吸湿性を妨げません。無垢材ではない場合、木に塗装したりクロスを張ったりするため吸湿性を妨げてしまいます。これでは木の長所を損ねてしまうことにもなりかねないので、何も加工する必要がない無垢材を使用するとよいでしょう。デザインせずとも、自然な雰囲気を演出できるのが無垢材の魅力の一つです。
木の家だからといって、家屋の中全てが木でできている訳ではないはずです。特に、結露はできやすい部分があります。それは窓ガラス近辺。窓ガラスそのものは、木材ではありません。近年は結露に強い窓ガラスも登場していますが、完全に防ぐものではないので対策が必要です。窓の結露を抑えたい場合は、二重サッシにして結露を防ぐとよいでしょう。
また、家屋の中には窓ガラスを複数設置するかもしれませんが、北側で陽射しが入りにくい位置にある窓ガラスは結露が起こりやすいので注意が必要です。窓ガラスの位置をよく考えて建てるのはもちろん、建てた後には北側の窓は結露ができやすいことをふまえて早めに対策しておきましょう。こまめに窓を拭く、結露防止シートを貼り付けるなどいくつか試してみるのがおすすめです。